■最大40Mbpsと実測40Mbpsは全く意味が異なります

1Gbpsという速度表記を見慣れていると、40Mbpsという速度は遅いと感じる人が少なくありません。
しかし、多くのケースで実測40Mbps出ていれば十分にストレス無く1人でサービスを楽しむことが出来ます。
1人と限定した理由として、光回線を家族全員で使っている場合には、同時に接続しているPCやスマートフォン・タブレット端末で回線を共有するために速度を分け合うことになるからです。
ここで重要となることは、最大40Mbpsでは実測値は数Mbpsに過ぎないことがありますが、実測40Mbpsならば十分快適に感じられるという違いです。
インターネット回線契約では、各家庭へ引き込んでいるインターネット回線の速度を保証することはありません。
なぜなら、電柱から先の部分は共有回線とすることで、インターネット料金を数千円で利用できる環境を整えているからです。
共有回線では、近隣住民が一斉にインターネットを使用すれば、回線速度の平均値が下がります。専用線とすれば回線共有部分が無くなるので速度低下の心配はありませんが、今度は月額料金が数万円以上と高額となるわけです。
実用的な速度を考えるならば、1デバイスあたり実測40Mbpsを目指すと快適にインターネット出来ます。
実測40Mbpsは双方向通信で考えると良い

実測40Mbpsという回線速度は、ADSLが広く使われていた頃には夢のような数値でした。
ネットサーフィンや標準画質動画を閲覧する程度ならば、インターネット上からデータをPCへダウンロードする下り回線のみが早ければ十分です。
しかし、Wi-Fi接続やスマートフォンとタブレット端末が普及したことにより、双方向通信の重要性が増しています。
今後は、双方向通信でインターネット回線選びを行えば、双方向共に実測40Mbpsという数値が快適さの目安となることが分かるはずです。
アプリを使って離れた場所とのカメラ機能を使ったビデオ通話は、上り速度が不足すると相手側にはコマ落ちとなってしまいます。
ADSLやケーブルテレビ接続のように、下り回線の最大値のみを宣伝材料としている回線を使うと、上り速度が足りなくなる状況が次々と発生するわけです。
今後は更に高画質化と動画配信による高フレームレート化が進むので、上り速度も実測40Mbps程度欲しくなります。
■インターネット回線選びは下り偏重から双方向通信重視へ

インターネット回線選びを行う際には、従来の下り偏重型の規格最大値で競うことをせずに、双方向の実測値で選ぶことが望ましいです。
しかし、実測値は周辺環境により大きく変わってしまうので、1つの光回線に対して同時に使用する最大デバイス数を考えて必要な実測値を計算します。
動画配信サイトをPC以外にタブレットで観賞する際には、終日動画配信サービスを視聴していてもコマ落ちしない程度の速度確保が望ましいです。
動画閲覧に必要な速度は安定して20Mbps以上

動画配信サイトでは、標準画質を超えるHD画質による配信が一般化しているので、動画閲覧を行う際に必要な回線速度について知っておく必要があります。
フルHDの画質は1920☓1280であって、光の3原色RGBについてそれぞれ階調数により色の変化を作り、フレームレートが30fpsまたは60fpsといった数値です。
全てを掛け算すれば、1秒あたりに必要となる動画再生レートが決まります。しかし、実際には動画圧縮技術が発達したことにより、圧縮アルゴリズムによる違いはあるもののフルHDで12Mbps程度が最低ラインです。
動画再生ではコマ落ちするとすぐに気づいてしまうので、余裕を持った回線速度が必要となり、デバイス1つあたり20Mbps程度が動画閲覧には必要となります。
4K画質ならば更に4倍のビットレートが必要となるので、少なくとも実測40Mbpsという目標が妥当だと分かります。
動画配信サイトは、安定した通信を提供しているので、受け手側のインターネット回線速度に余裕が無ければ、やはりコマ落ちの原因となってしまうわけです。
動画閲覧予定があるなら、回線速度の確保が必須となります。
ひかりTVや動画配信サービスは利用する端末数だけプラスして必要帯域が増える

動画配信サービスの中には、ひかりTVのように他チャンネル放送を常時行えるタイプのサービスがあります。
ひかりTVならば3チューナー搭載タイプもあるので、同時に2台までレンタルまたは購入出来ることから、少なくともひかりTVには1チューナーあたり20Mbps~40Mbpsほど確保しなければなりません。
2台ならば倍の量と考えると、家族が映像配信サービスを利用するならば、実測40Mbpsの光回線を10本引き込むことになります。
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■無線接続の40Mbpsは干渉に注意が必要です
インターネット回線の速度を比較する際に陥りがちなこととして、有線接続と無線LANの性質が違う点を無視してしまうことが挙げられます。
有線接続ならば、モデムまたはホームゲートウェイで得られたインターネット回線速度は、そのままPCへと接続されるわけです。
しかし、無線LAN接続を行う場合には、無線LANルーターまで届いている速度が、宅内でPCやスマートフォン・タブレットまで届く間に電波状況によるロスが発生します。
有線接続よりも無線接続の方が実測値が低くなると知っておかなければなりません。
無線LANルーターをインターネット回線へ接続して利用する際には、無線LANルーターと接続デバイスの無線通信規格が合致している必要があります。

現在サポートされている無線LAN規格には、IEEE802.11ac,n,a,g,bといった複数の速度がサポートされている状況です。
2.4Ghz帯と5.2Ghz帯の2種類の電波が無線LAN用に割り当てられていて、コードレスホンや電子レンジ利用時には、2.4Ghz帯は干渉が見られます。
また、1度接続開始した無線LAN接続は、通信状況に合わせてチャンネル内でも更に状態が悪い電波から遮断されるので、時々無線ルーターを再起動されると良いです。
1度無線接続を切って、再度接続すれば使用可能な周波数帯から最適な空きチャンネルを探して再接続することになります。
ホームゲートウェイ内蔵無線LANルーターならば、自動的に再起動させるタイミングをスケジュール登録しておくだけで常にフレッシュな環境を整えておくことが出来ます。
■オンラインゲームなら双方向共に40Mbps程度あれば十分

オンラインゲームを行うために高速なインターネット回線を求めているならば、上り下り双方が共に実測値で40Mbps以上確保出来ていれば問題ありません。
なぜなら、多くのオンラインゲームが数Mbps~20Mbps程度で安定しているだけで、安定してプレイ出来るからです。
問題となるのは、他の接続デバイスを使った時に発生する平均速度の低下です。
ひかりTVやU-NEXTといった映像配信サービスを同時に契約している場合、オンラインゲーム接続時にも番組や映画視聴を行っている家族がいればオンラインゲームに支障が出る可能性があるからです。
モデムやホームゲートウェイに詳細設定画面があれば、通信の優先順位をオンラインゲームを行っている端末のみ引き上げる処理を行う必要があります。
なぜなら、フレームレートがコマ落ちしたことにより、対戦型プレイを行う際には命中判定や回避判定が遅れてしまうことがあるからです。
最大40Mbpsでは実測値は数Mbpsに過ぎないことがありますので注意しましょう。実測40Mbpsならば動画もオンラインゲームも十分快適に感じられるはずです。
一般的なインターネット上のホームページ閲覧よりも、映像配信サービスの通信はコマ落ち防止のために優先的に配信されることが多く、オンラインゲームは最優先設定となっていません。
PCゲームタイプのオンラインゲームならば細かい調整をPCから可能ですが、設定項目が難しいのでハードルが高くなりがちです。
オンラインゲームのタイトルによっては、チャットプレイとしてビデオチャット機能まで使えるタイトルもあります。
速い40Mbpsが存在するオンラインゲームの世界

上り下り共に最大1Gbpsといった高速回線が一般的ですが、体感速度面では40Mbps程度であってもオンラインゲームで十分に戦える環境も出ています。
なぜなら、対戦型オンラインゲームでは、複数のプレイヤーが同時プレイしているのでオンラインゲームサーバーへの距離が近いほど有利です。
具体的にはpingの数値を計測して、適切なMTUとRWINの設定を行うだけでも体感面で違いが出てきます。
pinで測ることが出来るのは、サーバーとの間の通信速度とオンラインゲームでいかに反応が良いか確かめることです。
pin反応速度が8msと200msでは、pinの数値が雲泥の差が出ています。通信距離による影響が大きいので、pinの数値は選択したプロバイダーにより更に変わると知っておけば速度に悩みません。
光回線はそのままの契約を行い、オンラインゲームを行う時だけ別プロバイダーを使うマルチセッション接続が可能な光回線は、回線とプロバイダーが別契約となるフレッツ光シリーズの特徴です。
オンラインゲームにて対戦相手と公平な戦いをするためには、上り下り共に通信速度が実測値で40Mbpsを確保出来ていることが前提です。
その上でpin数値が小さなプロバイダーをオンラインゲーム用に確保して、マルチセッション接続機能を使ってオンラインゲーム端末のみ別プロバイダー経由で接続すれば、オンラインゲームプレイ中も安心です。
なぜなら、通信速度の変化はプロバイダー内で起こりやすいので、プロバイダーを複数契約できる光回線がオンラインゲーム用としては有利だからです。